コラム提供:(株)フォーバル
ウィニーとは日本で開発された「ファイル共有ソフト」の1つです。 ファイル共有ソフトとは、インターネットを介して不特定多数のパソコンと、音楽や映画などのファイルを交換し合うソフトのことです。
匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」の常連客であった「通称:47氏」が、一番初めに開発に着手し、その後、2チャンネルの常連客同士が改良を加えて行き、2002年の5月に第1バージョンが完成しました。 その後も様々な人の手によって改良が加えられ、2003年5月には「Winny2」というバージョンが公開され、若者を中心に愛用者が広がりました(利用料金は無料です)。
携帯電話向けの「音楽ファイル」を取得する場合には、先ず始めに、専用のサイトへ行き、好みの歌を携帯電話へダウンロードすることで音楽ファイルを取得できます。 このように、一般的な音楽ダウンロードの仕組みは、センターにサーバーが存在し、そのサーバーの中に、多くの音楽ファイルを保存しておくというやり方を取るのです。 しかしWinnyの場合は、専用のサーバーは存在せず、Winnyソフトがインストールされているパソコンを次から次へとバケツリレーすることで、音楽ファイルを欲しがっている人間と、その音楽ファイルを持っている人間を結びつけ、該当の音楽ファイルをコピーして、欲しがっている人のパソコンへ送り届けるのです。
以上のように、Winnyを利用することで、音楽ファイルや写真、映画ファイルなどを無料で手に入れることができますが、与えられてばかりではいけません。 自分から与えるという人がいなければ、ファイルを貰うことはそもそも不可能となってしまいます。 ですから少しでも良いから、自分の持っている音楽ファイルなどを不特定多数の人に提供するという「相互扶助」の精神が求められるのです。
Winnyソフトをパソコンにインストールすると、自分のパソコンのハードディスクの一部領域をWinnyソフトが自由に検索したりコピーしたりできるように自動的に公開されてしまいます。 この「公開ディスク領域」に、不特定多数の人間に対してコピーされても構わない音楽ファイルや映像ファイルを保存しておくのです。 この公開ディスク領域は自分で設定可能で、Winny自身が変更することは出来ないようになっています。 よって、仕事で利用している重要ファイルや機密データなどは、厚い壁でさえぎられた状態となっており、通常は安全です。
著作権はどうなっているのか? Winnyのさきがけとなったのは、アメリカの大学生が開発した「Napster(ナップスター)」です。 ナップスターは、1999年1月に音楽ファイル専用の交換ソフトとして誕生しました。 この大学生はナップスターソフトを販売する会社を立ち上げましたが、音楽業界に訴えられ、著作権侵害訴訟で敗訴し、2002年6月に破産しています。その後、会社の資産はRoxio社に買収され2003年10月から有料音楽配信サービスとして再出発をしています。 その後も商用・非商用を含め、様々なファイル交換ソフトが登場しましたが、著作権をめぐる論争に決着はついていません。 ファイル交換ソフトを悪用されて著作権を侵害された音楽業界・映画業界・ソフトウェア業界などの産業界は、「ファイル交換ソフト自体が違法である」と主張を続けておりますが、ファイル交換ソフトの開発者や利用者は、「悪用するユーザを裁くべきであって、ファイル交換ソフト自体は合法だ」と主張しており、双方の主張は、いまだに平行線を辿っています。 日本では、「WinMX」や「Winny」などが広く使用されておりますが、WinMXは2001年11月に、Winnyでは2003年11月に著作権侵害の疑いで、開発者や利用者の一部が逮捕されています。
以上のように、Winnyを利用するためには、自分のパソコンのハードディスクの一部を公開する必要があります。 ディスクの公開エリアと未公開エリアの間には、頑丈な壁がありますので、きちんとしたセキュリティで未公開エリアは守られるようになっています。 しかし、この厚い壁を取り払ってしまうコンピューターウィルス「アンチWinny」が交換されているファイルに紛れ込んでたくさん出回っており、このウィルスに感染すると、公開エリアと未公開エリアを仕切っていた厚い壁が無くなってしまい、自分のパソコンのディスク全てがインターネット上に公開されてしまうようになるのです!
ビデオカメラを使って自分で撮影した画像や、自分で作曲した音楽などを、世界中の人に聞いてもらいたい・見てもらいたいというニーズに応えて、ファイル共有ソフトはスタートしました。
自分で作った映像や音楽は、自分に著作権がありますからインターネット上に公開しても著作権違反にはなりません。 しかし現実問題としては、市販されているプロの音楽や映画が、著作権法に違反して匿名でファイル交換されているのが実態です。
「甘い言葉には罠がある」や「無料(ただ)より高いものは無い」と、昔の人はよく言いました。 Winnyは、無料でいくらでも音楽ファイルなどを取得することができます。 その反面、顧客情報や社内資料など、企業の機密情報などが漏洩してしまい、金銭では取り返すことのできない損害を被るに至っているのです。 日本政府も、Winnyを利用しないように広く国民に訴え掛ける、異例の記者会見を行いました。 みなさんも、Winnyにはくれぐれも気をつけるようにしてください。