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コラム

せつ子のブロードバンド教室 せつ子のブロードバンド教室 第17回

~キャッシュカードが危ない理由~

コラム提供:(株)フォーバル  

キャッシュカードには2種類ある

銀行の預金を、ATMで引き出したり・振り込んだりすることができるプラスティックでできたカード「キャッシュカード」は、とても便利ですので、皆さんもお使いのことと思います。

イラストこのキャッシュカードには、カードの表面または裏面に黒い帯状のものが印刷されているものがあります。これは古いタイプのキャッシュカードで、「磁気ストライプ式カード」と呼ばれています。

言葉の通り、この黒い帯には、電気を帯びた磁性体が印刷されており、テープレコーダーで音楽を録音するのと同じ原理で、銀行口座番号と秘密の文字列が記録されています。

これとは別に、最新のキャッシュカードにはICチップが埋め込まれており、「ICキャッシュカード」と呼ばれています。

磁気ストライプ式カードはセキュリティが弱い

イラスト磁気ストライプ式カードの磁性体部分は、テープレコーダーのテープとほとんど同じ原理で口座番号等が記録されています。ですから、テープレコーダーの読み取りヘッドと同じ原理の装置さえあれば、口座番号と秘密の文字列を誰でも読み取ることができてしまうのです。

この口座番号と秘密の文字列を他のキャッシュカードに上書きすれば、他人のカードを偽造することができてしまいます!

磁気ストライプの中に記録されている情報を読み取ることを「スキミング」と呼んでいます。
泥棒が他人のお財布の中からキャッシュカードを盗むと、盗まれた人は、何時間もしないうちにカードが無くなったことに気付きます。ですから、泥棒がATMから現金を引き出す前に銀行口座をストップされ、不正に預金を引き出すことができなくなってしまうのです。

そこで近年のカード窃盗犯罪者は、カードの磁気情報だけをスキミングして取得し、カードそのものはお財布の中に戻してしまうという犯罪が、今現在でも多発しているのです。

カードの偽造ができたら、残るは暗証番号を見破るだけ
イラスト
銀行窓口で預金を引き出すためには、通帳と印鑑が必要でした。しかしATMの場合は、カードと暗証番号だけで済みますので、便利になったと同時に、犯人にとっても犯罪がやりやすくなってしまいました。

スキミングという方法で、キャッシュカードの磁気ストライプの中に書き込まれていた情報を読み取ったら、今度はその情報を、そのまま別のカードにコピーします。「ダビングする」という言い方の方がしっくりくるかもしれません。

ダビングするカードは、全く新しいキャッシュカードでもいいし、古いカードを使い回しても構いません。録音テープやフロッピーディスクと同様に、磁気ストライプは何度でも新しい情報を上書きすることができるのです。

このようにしてキャッシュカードを偽造できたら、残すは暗証番号を見破るだけです。
多くの場合、銀行口座の暗証番号は、生年月日であったり、電話番号の下四桁であったりします。なぜならば、自分の身近な数字を暗証番号にしないと記憶から忘れてしまうからです。

キャッシュカードはお財布に入っていますが、そのお財布の中には、運転免許証も同時に入れられています。この免許証の生年月日欄を読み取って、ATMの暗証番号としてインプットすると、高い確率で現金が引き出せることが分かっています。

ICカードは偽造はほぼ不可能

イラストICカードの中には、5mm四方の半導体で出来た集積回路が埋め込まれています。

この回路は、強力な暗号化処理が施されており、素人では絶対に中に保存されている情報が読み取れないようになっています。

ですからICカードをスキミングすることは、ほぼ不可能ですので偽造を作成することもできません。ICカードはセキュリティ性の高い、次世代のカードということができます。

ICカードでも盗まれたら、やはり危険

イラストしかし、いくらICキャッシュカードが偽造できないとは言っても、盗まれてしまい、犯人が本物のキャッシュカードで現金を引き出す場合には、磁気ストライプカードと同じレベルのセキュリティしか持っていないことになります。

すなわち、最後の砦である「4桁の暗証番号」しかセキュリティはないのです。
これでは危ないということで、最近では、手のひら静脈や指静脈などの生体情報をICチップに書き込んで、

1. ICキャッシュカードを持っていること
2. 静脈情報が一致すること
3. 暗証番号が一致すること

の3つのセキュリティチェックで預金者を確認することにしたのです。

以上のように、キャッシュカードはICカード化すると同時に、それだけではなくて、静脈認証も同時に行うことで、本当に安心できるものへと進化を遂げているのです。

生体認証

生体認証とは、生きている体(生体)の一部の模様を利用して、個人を識別しようとする技術です。

生体認証の中で一番有名なものが、「指紋認証」です。人間の指先には、渦巻状の模様が存在します。この渦巻き模様は足の指にも存在します。この渦巻き模様が、なぜ指先にだけ形成されるのかは今も分かっていません。ただ、赤ちゃんが母体の中で成長していく段階で、お腹の中の羊水の圧力によって、渦巻き模様が変化することだけはわかっています。

また、確率統計実験の結果、指紋の模様は、世界中の万人が異なるということが証明されており、かつ、机やコップを指で触ると、指紋の模様が残留することから、この指紋模様を犯罪捜査に利用することが、今日でも盛んに行われています。

銀行のキャッシュカードで利用されている「指静脈認証」や「手のひら静脈認証」は、指や手のひらの皮膚の内側に通っている静脈血管のパターンが、個人によって異なるという統計論から派生しています。

血管にはヘモグロビンが通っており、このヘモグロビンには多くの鉄が含有されているため、指や手に近赤外線を照射すると、ヘモグロビンは近赤外線をよく吸収し、血管部分に照射された近赤外線が反射せず、結果として血管パターンが黒く浮かび上がるという光学原理を応用しています。

その他、顔の形や目の中の虹彩(アイリス)、声紋やサイン認証など、数多くの生体認証技術が開発されておりますが、光の変化や外周の音やノイズなどの影響によって、実用的に使用できるものは、まだまだ多くはありません。