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コラム

せつ子のブロードバンド教室 せつ子のブロードバンド教室 第18回

~詐欺もブロードバンドの時代です~

コラム提供:(株)フォーバル  

「詐欺行為」は、時代と共に手法が変化する

ビジネスの世界において「詐欺」と聞くと、真っ先に思い起こすのが「取り込み詐欺」です。
パソコンや宝石・腕時計など、換金性の高いものを大量に注文し、商品が届いた 後に事務所を引き払い、代金を支払わないで、どこかに逃げてしまう行為のことです。

イラスト日本ではつい最近まで、お年寄りをターゲットにした「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」が大発生致しました。
お年寄りの息子を装い、交通事故を起こしたので、示談金として今すぐ100万円を振り込んで欲しいだとか、警察官に成り済まし、旦那さんが電車の中で痴漢行為を働いたので、女性との示談金として200万円を今すぐ振り込むようになど、電話を利用した巧みな「口述詐欺」が猛威を振るったのです。

「自分は絶対騙されない!」、「なぜそんな馬鹿げた詐欺に引っかかるのか理解ができない!」と思っている方が一番危ないのです。
なぜならば、「自分だけは大丈夫」と思った瞬間に、「警戒心」はどこかへ吹っ飛んでいるからです。
漏洩した「個人情報」は、振り込め詐欺にも使われる

イラスト振り込め詐欺を行う犯人の話術は巧みで、しかも巧妙です。
真面目で、丁寧な日本語で相手の信用を掴み、そして急に態度を豹変し、あたかも緊急事態かのごとく、今すぐお金を振り込まないと大変なことになる!と迫るのです。

交通事故を起こした息子に成り済ましたり、痴漢を働いた旦那さんを現行犯逮捕した警察官に成り済ます手口も巧妙です。成り済ます際には、「個人情報漏洩事件」で漏洩した、本物の個人情報が利用されるからです。

例えば、息子の住所や電話番号、生年月日などを伝えたり、旦那さんの勤務先や部署、役職などを伝えたりして、誰もが知りえない家族だけの情報を電話口で伝え、相手を信用させるのです。時には、趣味や通っているスポーツジムの名前、子供の名前、先月行った家族旅旅行先などを言うケースもあります。

また、「今すぐ!」「今日中に!」という、パニック状態に相手の心理を誘うことで、振り込め詐欺はより一層成功率が高いものとなるのです。

この心理的詐欺は、セキュリティ業界の間では「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれているものですが、この罠に引っ掛からない人の方が少ないのではないか?とも言われており、大きな社会問題となっています。

アメリカには、なぜ「振り込め詐欺」はないのか?

読者の皆さんは不思議に思われるかもしれませんが、アメリカにはオレオレ詐欺に代表されるような振り込め詐欺はほとんど存在しません。なぜならば、アメリカはカード社会であり、現金を持ち歩いていないからです。

アメリカ社会では、レストランで食事をするときも、スーパーで買い物するときも、ほとんどの場合、クレジットカードで支払います。
お財布の中には、20ドルから30ドル程度しか入っていなく、現金は家の中にも置いていません。

ですから、今すぐに現金を振り込めと言われても、アメリカ人のほとんどは、現金を持ち合わせていないのです。
預貯金についても、現金で保有している人は少なく、株や債権に投資していたり、投資信託や長期預金に預け入れているため、現金化するためには、少なくても1週間の猶予が必要です。

ですから、アメリカにおいては、現金を今すぐ振り込むようにという「振り込め詐欺」は、経済的文化の理由から、ほとんど存在しないのです。

インターネット詐欺も、リスト化されつつある

イラスト詐欺行為は、オレオレ詐欺に留まらず、インターネットの世界にも蔓延しつつあります。

例えば、「あなたはアダルトサイトを閲覧したので、3万円を振り込むように」などのメールが突然自分のパソコンに届いた人も少なくないはずです。

このような架空請求は、以前は葉書や手紙などで自宅に配達されてきましたが、郵便を利用すると、切手代金や印刷代金がかさみますので、もっと効率的で経済的な方法である「電子メール」に置き換わり、詐欺師もちゃっかり、インターネット・ブロードバンド社会に順応しようとしています。

もちろん、架空請求についても、住所や氏名、電話番号や電子メールアドレスは、全て個人情報漏洩事件で漏洩した個人情報が使用されています。

架空請求メールを見て、素直にお金を振り込んでしまった人は、詐欺師の間でリスト化されてしまい、次からは、もっと高額な金額が多くの詐欺師から請求されてしまいますので、本当に注意したいところです。
「詐欺行為」は永遠になくなることはない

詐欺行為とは、相手を騙して金品を奪う行為です。
人類が始まってからというもの、人間には「欲望」という利己的な本能が宿ってしまっていますので、この本能を悪いほうに行かないようにコントロールすることで、平和な社会を築き上げてきたと言っても過言ではありません。
「欲望」という本能を「社会の役に立つ良い方向」に発揮することで、苦労を重 ねながらも、国家や建造物を築き上げてきました。

一方、「欲望」を悪い方向に利 用すると、人間は堕落を始め、働いて稼ぐことを忘れ、食料や工業品を自ら生産せず、他人から略奪することで、生き延びようとする生活を選択するようになるのです。

人間誰しも、心の中には「天使」と「悪魔」の相反する2つの思考があり、常に 判断を迫られています。
道端で100円を拾ったので、交番に届ける天使的な思考と、たかが100円くらいなら、お巡りさんも仕事が増えて面倒だろうから、私が貰っておこうと考える悪魔的思考とが、常に人間を苦しめるのです。

すなわち、天使的思考と悪魔的思考の2つを自由に選択できる権利が人間にある限り、悪魔的思考を選択して生きながらえる人間は絶対に存在することになります。

よって人類が発祥し、そして滅亡するまで、「詐欺行為」というものは、消滅しないと考えたほうが、極めて自然です。