2025年12月3日(水)に、設備業の方々をお招きして意見交換会を開催いたしました。
開会挨拶のあと、当会の「設備業DX推進委員会」「消防防災DX推進委員会」「設備共通EDI推進委員会・システム連携推進委員会」「経営課題改善委員会」の取り組みに対して、活発な意見交換が行われました。
設備業の方々からは現在の状況について、また委員会から設備業の方々にお聞きしたいこと等を詳しく聞くことができました。
意見交換会で出されたご意見の一部をご紹介いたします。
日時:2025年12月3日(水)14:00~
場所:ピー・シー・エー株式会社
Zoomによるオンライン同時開催
議題
①DX浸透度・認識/フェーズ整理
②人手不足/繁忙期の実態
③消防設備サミットの評価
④経営状況(収益構造・価格交渉・資材高騰)
⑤見積・原価管理の考え方
⑥電子申請の課題(自治体差・二重入力・API連携)
⑦システム化・システム連携(成功/失敗/相談先)
⑧EDI(受発注の統一・履歴管理)
⑨経営課題改善(人材育成・情報提供・実態調査)
⑩今後の取り組み/アクションアイテム
①DX浸透度・認識/フェーズ整理
認知は広がる一方、意味理解と「全体最適」はこれから
•DXという言葉自体は浸透しているが、意味を理解できる人は少ない
•各社で部分的にデジタル導入は進むが、リンクして有効活用できていない
•ランニングコストが重く、効果が見えにくいという不安がある
•小規模・家族経営が多く、紙・属人運用が残りやすい
•経営者と従業員で温度差(経営:効率化/現場:なぜ必要?)がある
「一気にDX」よりも、自社フェーズに合わせた段階設計が有効
•「DX=ツール導入」ではなく、困りごと起点で進めると定着しやすい
•経営者と現場の温度差を埋めるため、巻き込みと目的共有が必要
•部分導入が多いため、将来の連携を見据えた設計(番号統一・データ項目整備など)が有効
②人手不足/繁忙期の実態
技術者・監督不足が共通課題(高年齢化も進行)
•消防設備士・点検資格者など技術職が不足(人気が集まりにくい)
•監督が足りないという声が複数社から挙がった
•採用はできても営業職の応募がない/高年齢化が課題
•「DXで人材不足を補う」か「業務効率化」かで狙いが変わる
•仕事量のコントロール(取りすぎない)で不足感を抑える考えもある
年度末集中+地域・発注方式で差(平準化の余地あり)
•年度末(2〜3月)が繁忙という回答が多い
•秋(9〜10月)も予算関係で忙しいという声
•4〜6月以外が忙しい/下期が忙しいなど会社ごとに差
•北海道など地域特性で「冬前」「年末」に集中する例もある
•官公庁の発注方式変更で完工時期が動くケースがある
③消防設備サミットの評価
大盛況で業界の熱量を確認(会場運営は改善余地)
•来場者が多く「歩けないほど混雑」という声もあり、注目度は高い
•最新ソフトや新しいDXの取り組みを見られて有益だった
•社員参加により「こういうのがある」と社内会話が生まれた
•会場が狭くブースをゆっくり回れない課題があった
•ワンフロアの大規模会場(例:ビッグサイト等)への期待
④経営状況(収益構造・価格交渉・資材高騰)
点検単価は下落傾向/利益は工事が支えるが資材高騰がリスク
•点検(保守)は単価が下がりやすく、管理会社が入ると価格が下がる
•工事は利益が出やすい一方、資材高騰の影響が大きい
•値上げ分は顧客に転嫁して利益率維持を図る動き
•オーナー直接・大手企業は交渉しやすいが、管理会社経由は難しい
•取引先を絞る/ニッチ領域(例:雷対策)で伸ばすなど工夫がある
⑤見積・原価管理の考え方
個数×単価から、人工(工数)視点へ(最終はバランス調整)
•当初は個数ベースで算出していたが、採算が合わず人工ベースへ移行
•個数をベースにしつつ、現場規模・設備数・連動などで調整する運用
•最終的には「何人・何日かかるか」を想定して見積を整える
•公共工事の設計労務単価は使わず、自社労務単価を使う会社が多い
⑥電子申請の課題(自治体差・二重入力・API連携)
自治体差・二重入力・進捗不明が負担(連携/APIが鍵)
•プラットフォーム変更で使いづらくなった/副本が戻らない等の不満
•所轄によって対応が異なり、運用が標準化されていない
•自治体ごとに登録が必要で、担当者の負担が大きい
•点検ソフトの内容を電子申請へ再入力する二度手間が発生
•申請後の進捗が分かりにくく、物件特定もしづらい(API連携等が必要)
⑦システム化・システム連携(成功/失敗/相談先)
導入は進むが「連携」は限定的(個別最適の積み重ねが壁)
•見積・管理など各種ソフトは導入しているが、連携していない会社が多い
•連携は「0か10か」レベルで、途中段階の設計が不足しがち
•消防設備特有の紙届出が多く、デジタル移行が難しい領域が残る
•社員が現状に満足し、変化への抵抗が生まれやすい
•サーバー管理の属人化(高齢の管理者)など、基盤面の課題もある
成功の鍵は「業務の洗い出し」+「現場巻き込み」
•成功例:社員を巻き込んで業務を洗い出し→要件を固めてから構築
•失敗例:現場環境(山奥で電波が弱い等)でWebカメラ運用が難航
•代替策:携帯電話カメラ運用へ切替(電池消耗など一長一短)
•相談先:DX推進委員会メンバー、専門ベンダー(大塚商会等)、外部専門家
•注意点:社長主導だけでは定着しにくい(使う人の納得が必須)
⑧EDI(受発注の統一・履歴管理)
メーカー独自ECが主流で統一されていない(履歴管理がニーズ)
•受発注はメール・FAX・メーカーECなど手段がバラバラ
•担当者個人のやり取りになりやすく、退職時に引継ぎが難しい
•月間業務量が限定的で、単体導入の費用対効果が見えにくい
•メーカーごとに方式が異なり、運用負担が増える
•番号で見積〜請求まで一気通貫管理している会社はメリットを実感しやすい
全メーカー・卸が同一仕組みで連携できれば、ミス削減とトレーサビリティ向上
•統一フォームで発注できれば「言った言わない」が減る
•履歴が完全に残り、監査・問い合わせ対応が容易になる
•材料屋のAmazonのように横断検索・発注できる世界観への期待
•単体より「グループ/業界単位」での導入が現実的
•投資コストがネックになりやすく、価格設計が重要
⑨経営課題改善(人材育成・情報提供・実態調査)
最大関心は「人材育成」/売り込み色を減らし信頼構築が鍵
•人材育成・離職率低下・社員教育が最重要テーマとして挙がった
•突然のピンチ(監査など)への心構え・対策情報が欲しい
•原価管理の重要性を気づかせるセミナーが有効(問題の見える化)
•DMは捨てられやすく、商品販売色が強いと反発が起きる
•「何の役に立つのか」「ゴールは何か」を明確に示す必要がある
「誰が」「なぜ」答えるのかの設計+組合経由が有効
•回答対象(社長/現場/事務等)を明確にすると途中離脱が減る
•背景(動機付け)が見えないアンケートは回答されにくい
•組合経由だと信頼があり回答しやすい/関係性が効果を左右する
•DXに興味がない層は答えにくいので、セミナー後に実施するなど工夫
•アンケートから訪問調査へ転換する検討も(実態把握の精度向上)
⑩今後の取り組み/アクションアイテム
短期:人材育成と情報発信を強化/中長期:標準化と連携を推進
•短期:人材育成プログラム・研修(一般社員/職人も参加できる形)を充実
•短期:実態調査手法の改善(回答しやすさとフィードバック設計)
•短期:情報発信の見直し(販売色排除・テーマ特化型セミナー)
•中長期:業界全体のDX推進(フェーズ別支援で底上げ)
•中長期:システム連携の標準化、EDI普及による効率化
次回までに進めること(案)
•各委員会で本日の意見を踏まえ、活動計画を見直す
•人材育成に特化したセミナー企画を具体化(対象者・到達目標の明確化)
•実態調査の手法を組合と協議(アンケート→訪問調査の運用含む)
•情報発信の改善策を検討(売り込み色の排除・テーマの尖らせ方)
•次回意見交換会の開催時期と内容を検討
ご参加いただいた設備業者様
協栄電工株式会社 様(当会会長)
安藤電気工業株式会社 様(当会理事)
ヤマシタ電気株式会社 様(当会理事)
シノハラ防災株式会社 様
株式会社イワナガ 様
株式会社勝栄電気 様
株式会社石井電気 様
開会挨拶:ビーエヌシー株式会社 様
閉会挨拶:ピー・シー・エー株式会社 様
当日のタイムスケジュール
■14:00~14:05 開会挨拶
■14:05~14:55 「設備業 DX 推進委員会」活動報告・意見交換
■14:55~15:45 「消防防災 DX 推進委員会」活動報告・意見交換
■15:45~16:00 休憩
■16:00~16:50 「設備共通 EDI 推進委員会&システム連携推進委員会」活動報告・意見交換
■16:50~17:40 「経営課題改善委員会」活動報告・意見交換
■17:40~ 閉会挨拶
■18:30~ 親睦会


















