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定例会実施報告

平成26年 12月11日(木)
全国設備業IT推進会「第94回 協賛パートナー定例会」


意見交換会 報告

12月11日(木)、当会「第94回 協賛パートナー定例会」にあたる今回は、
設備業の組合員の方々にお越しいただいて「意見交換会」を開催しました。

犬養会長より開会挨拶の後、基調講演では「能楽から学ぶイノベーションの知と事業承継」について、
講師に公益社団法人日本易学連合会 麻生 美坱 様をお迎えし、ご講演いただきました。(▼講師プロフィール

講演では「歌舞伎と能楽の違い」「能楽の歴史」、世阿弥の理念や生き様の解説に始まり、「現代に生きる世阿弥の言葉」を通して「現代企業経営に活かす知恵」についてお話しくださいました。イノベーションを起こした先人の知を学ぶことで、より本質的な気付きを得られるという事です。また、易学の陰陽と五行のエネルギーの分析などもあり、大変興味深い内容で、会場の皆様も熱心に聞き入っておられました。

公益社団法人日本易学連合会 麻生様
公益社団法人日本易学連合会 麻生様

その後、ディスカッションでは、10名のパネリストの方々にご登壇いただき、
「設備業界、自社及び組合の現状、課題について」お話を伺いました。
また、当会推進メンバーからの個別質問にも率直なご回答をいただき、大変盛況な会となりました。

パネリストご紹介
管工事
株式会社親和設備 
代表取締役 高柳 茂宣 様
(当会理事)
全国管工事業協同組合連合会
青年部協議会
会長 中島 誠照 様
(当会理事)
東京都管工事工業協同組合
青年部長協議会
会長 村上 竜馬 様
電気工事
東京都電気工事工業組合青年部会 
会長 野口 智之 様
東京都電気工事工業組合青年部会 
理事 小松 隆浩 様
東京都電気工事工業組合青年部会
前理事 野尻 郁雄 様
株式会社大洋電設 
代表取締役 穴澤 辰幸 様
タイセイ電工株式会社 
代表取締役 犬養 弘之 様
(当会会長)
桧山電業株式会社 
代表取締役 桧山 義則 様
(当会理事)
 
コーディネーター
全国設備業IT推進会
事務局長 粕井 康人
株式会社システムズナカシマ
株式会社イーエスピー
代表取締役 下山 俊彦 様
(当会理事)
 
   
設備業界、自社及び組合の現状、課題について
設備業界について -業界動向・トピック、旬なネタと今後の見通し-
桧山理事
2016年の電力の自由化に向け、スマートメーターの設置、電力会社との関係等で方向性が変わってくるのではないか。
2020年発送電分離に向けて、何かしらのアクションを検討しなければいけない。
今後、東京オリンピックの関係で受注が増える見込みだが、現場の管理者も職人も人材不足、人材育成が急務である。今いる人材をいかに活用していくか、また、2020年以降に仕事が減った時の雇用をどうするかも検討事項である。
ITは、なかなか進んでいない。若い人達はスマホを使っているが、年配の方はメールも未使用の場合がある。その解決策を考えたい。
犬養会長
電気工事、主に道路照明・電光掲示板など99%公共工事を行っている。
アベノミクスでは中小企業にも施策をうっているが、仕事・案件は沢山あっても人材不足で、周りの建築・土木関係も同じ状態のため現場が動かない、電気工事も入れない状況がある。
資材は高く、仕事が遅れて実際資材を購入しようとする時には、もともと想定していた金額より高くなっている。今まで体験したことのないような感覚がある。
橋本理事
人材不足の問題や、仕事はあるけれど儲からないという状態を、ITの活用を通して改善したい。
ITを推進する時代ではない。当「全国設備業IT推進会の名称変更も検討したい。
高柳理事
基本的には電気工事業と一緒である。
人材不足、人材育成が課題である。
海外からの人材の話もあるが、どんどん雇用を増やすと将来的に不安がある。
仕事がないという感覚はない。
中島会長
住宅の仕事は落ち着いているが、非住宅(大きな建物)に関しては増えているのではないか。
東京五輪に向けた建設需要の高まりで、全国的に職方が関東に引っ張られているように思える。

ー 本管の耐震化について ー
大都市においては、耐震化がすすんでいる。しかし全国平均では37%程度、予算がないので必ずしも進んでいない。
人口、産業が減っているところなど、水の需要が減ると、予算的に厳しい事業体においては、老朽化が進むと地震がなくても漏水などが懸念される。
村上会長
仕事は増えてきている。民間のリフォームがすすんでいる。
穴澤様
民間も公共も予算が減ってきていて儲かっていない。
野口会長
公共事業費がものすごく上がっている。
利益が上がるような案件がない。
工事以外にかかる経費も多いので圧迫しているのではないか。
小松理事
仕事はあるが儲からない、利益が出ない。
公共工事の入札価格が下がっている。15社のうち10社同じ金額など(練馬区)。
野尻前理事
民間の利幅が少ないため公共工事をやっていくしかない。
意見交換会

 

意見交換会

 

組合の活動状況 -活動内容、積極的な取り組み、抱えている課題、改善点-
中島会長
人手不足、高齢化が進んでいる。次世代を見据えた人材教育が必要である。
設備の講習会を組合で実施、現場で必要な技術の習得のための講習会などは各地で開催されている。
管工事の資格取得のための講習会など、様々な技術を身につけるためにも組合の役割は大きい。
人材確保に特効薬はないが、5年後、10年後を見据えた人材育成が課題である。
管工事は親会と青年部は良好な関係で、作業を分担してお互いが強いところを担当している。
村上会長
ベトナムから人材斡旋の話があるが、期間は2年間しかないため、教育して2年後に帰られたら意味がない。
各支部の忘年会、新年会、イベントに呼んでもらい青年部を活性化していきたい。
仕事は3Kだが、お客様の一言でやっていて良かったと思える。それを体験してほしい。
高柳理事
電子申請は進めているが使い勝手が悪いので改善していかなければならない。
下山理事
後継者の育成、組合の組織自体の活性化が課題であり、今まで内部的な話が多かったが、外部より講師を呼んだり、委員会に入って組合改革、組織活性化に取り組んでいる。
短期、中期、長期と分けて戦略を練っている。
桧山理事
新しい人が入りたくなる組織作り、草案を作っている。一緒に考えてきたメンバーが役職についてくれば、組合の組織も変わり、業界も良くなっていくのではないか。
野口会長
新たな人材は入ってきているが、プレゼン能力(組織アピール力)がない人が多く、ネックになっているため、次世代に伝えていきたい。
工業高校の生徒、先生と意見交換の場を設け、電気工事業界の魅力を伝えていくなど、後継者の育成に努めていきたい。
小松理事
練馬区では、若い人材を入れていただくように親会にアピールを続けていく。
野尻前理事
江戸川区の青年部の活動内容が少ない。
青年部と親会の関係をどうすれば良いのか見えてこない。
意見交換会

 

意見交換会

 

当会推進メンバーより個別質問
個人情報の管理、組合員の教育はどのように実施していますか
中島会長
組合として組合員の情報は持っている。一時期、組合員の情報をHPに載せたり、CDに焼いたりすることが増えたが、また紙ベースに戻っている。
出来るだけデータ化しないようにしてきた。
青年部協議会としては、特に個人情報保護に関する申し送りの教育はしていない。
現在のIT環境は、いかがですか
野口会長
会社にパソコンがない会社もある。FAXでないと案内できなかったり、ワープロで請求書を作成しファイルに閉じるだけなど、図面をデータ管理ではなく書類で管理している会社もまだあり、二極化している。
最低限のIT環境(CAD、積算、見積・請求、メール、LINEなど)が整っていても、そのワンランク上というと、何をしていいか分からない。
中島会長
紙がデータに変わっていく段階だが、顧客のIT化に合わせている状態でもある。
管工事業界は2~3割の会社しかIT活用していない。使わなくても事足りていたり、効果を実感できていない。無料の汎用CADの体験講習会を実施しているが、次のステップとして有料の専用CADを検討している。IT活用の効果をどのように伝えていくかが重要である。
スマホなどのITに慣れている新しい若い人が入ってきたときに、ITに遅れている企業の現状が嫌になり辞めていく例もある。人材不足のマイナスの循環になってしまっているのではないか。
見積時に原価の把握の必要性をどのくらい感じているでしょうか
村上会長
現場作業がメインなので、両親に任せている状況のため、逆に効果を教えてほしい。
野口会長
見積ソフトの中の機能で事は足りている。一件一件が別物なのでデータ化が難しい。現場で決めることがほとんどで直感で行っている。原価を意識しながら見積作成しているが、流動的な材料単価など痒いところに手が届くソフトがあると良い。
穴澤様
歩掛について、公共工事や大きな民間工事は内訳書があるので、経験上で積算・見積を出す。
内訳書がない場合は、紙の図面を渡されて翌日に見積りを出してと言われることもある。
紙の図面をスキャナで読んで見積もりできるソフトがあると良い。
利益は、どの段階で把握していますか
高柳理事
工事毎に決めている。工期が伸びると利益が下がる。工事が決まった段階で予算を決める。
現場毎に把握はしているが、最終的には最後に決まる。
桧山理事
工事に関しては現場毎と最終的な決算。
小松理事
基本的には現場毎、小さい案件は月ベース。
中島会長
現場の元請け、担当者の采配によるところがある。
現場によって予想できるものもあるが、マイナスになる時もある。
調達コスト削減のため「共同購入」等の取り組み、ニーズはありますか
野口会長
実際共同購入している組合は、一長一短である。安く買えても販売の個数ノルマが出てきたり、動かす人件費の方が高くつくこともある。仕入の条件によってはメリットがあるが、実際は難しいのではないか。問題はあるが、組合にとって魅力的でもある。
見積・積算ソフト(98万円)の優先順位は、どのくらいですか
犬養会長
大規模工事を受注して利益が出たときに検討する程度ではないか(リースだとしても)。
大企業に販売実績があるソフトを中小企業に勧められても無理がある。
そのソフトの廉価版や、必要な機能だけカスタマイズできるようなソフトならいいと思う。
設備業者の方々にそのソフトを使っていただき、全国設備業IT推進会がダメだしの場になれたら良いのではないか。
桧山理事
大手の会社と対抗するのに必要になれば使うようになるだろう。
現場でタブレットでの工事日報入力は可能ですか、使用したいですか
中島会長
タブレットではなく、スマホで出来るなら良い。
担当者一人一人にタブレットを持たせる環境は難しいのではないかと思う。
村上会長
現場の状況を会社のPCにアップして、その情報(作業時間、作業人員、写真、進捗状況)を現場で確認できれば助かる。
野口会長
工事現場なので、ノートパソコンやタブレットは壊れやすい。スマホが安全だと思う。
進捗状況などもスマホでわかると有難い。自社に合ったカスタマイズができると良い。
クラウドについて
犬養会長
NASのバックアップの他に、クラウドのバックアップがあれば、災害時にデータが安全だと考えている。クラウドが危険という感覚はなく、むしろ会社のバックアップデータを紛失する方が怖い。
図面の申請代行の比率は高いですか
村上会長
申請図面は代行に出している。施工図は鉛筆で手書きしている。
現場写真を撮るのはスマホですか
・現場用カメラ、デジカメを使っている。デジカメだとCALSモードがある。
・現場の写真をスマホで撮ると、すぐに電池がなくなる。解像度も設定しなければいけない。
・スマホでも位置情報が入れられたり、黒板などの便利なアプリもある。
・やはり現場なので防水・防塵でないといけない。
資格取得に関する取組み・教育について
野口会長
多種にわたり資格が必要なので、ニーズを捉えて資格取得のための講習会などは定期的にしている。価格設定も組合員に合わせている。
近年BIM(3次元設計)も普及してきたが、3次元CADの必要性を感じますか
桧山理事
電気工事は、あまり関係がない。図面の3次元化もされていない。
中島会長
管工事は、もともと3次元の情報を考慮している。今まで必要なかったので急に変わることはないが、頭の中でイメージ出来ていたことが、今後、熟練した技術者他の不足により必要になってくるかもしれない。
意見交換会

 

意見交換会

 

総括
桧山理事
資格者は増えても現場で働く人が足りない。設備の仕事は、電線や配管などが壁や天井に隠れていて、実際に見せる場がない。
CADの良い点は、データでやりとりできる、保管が楽、もらった図面を流用できるところである。
しかし結局、CADも積算も、もともとの電気の知識、現場知識がないと出来ない。
ITは便利だが、それを使いこなす人を育てなければいけない。大きな課題だと思う。
今日は現役の方々の集まりだったので参考になったのではないか。どんどん新しい取り組みを一緒にやっていきたい。
橋本理事
ITを提供する側と使う側が、今回のように一緒になって意見交換をできるというのは素晴らしいことだと思う。設備業の皆様と接することによって様々な気付きがあり、それをどう活かしていくかが全国設備業IT推進会としての課題である。
「ITの推進」から、「ITの活用」の時代に来ている。当会の名称変更の検討を含め、次のステップへ繋げていきたい。
経験がないと使えないCADではなく、CADが色々教えてくれるようなシステムを作っていきたい。
今後も出来る限り、皆様に少しでもプラスになるような情報提供を続け、意見交換をしながらユーザーと一緒になって、より使いやすい製品を提供していきたい。
意見交換会

 

意見交換会

 

ご参加いただきました皆様、大変貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。これからも更なる活性化に取り組んでまいります。引き続きご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

全国設備業IT推進会 運営事務局

日時

平成26年12月11日(木)13:00~17:00

場所

とっとり・おかやま新橋館 2F催事スペース
東京都港区新橋一丁目11番7号 新橋センタープレイス2F
(JR新橋駅 銀座口より徒歩約1分)

内容

13:00~13:10 開会挨拶
13:10~13:50 基調講演
「能楽から学ぶイノベーションの知と事業承継」
【講師】公益社団法人日本易学連合会 麻生 美坱 様
14:00~16:30 ディスカッション
  1. 設備業界の現状、IT化の実態、問題点・課題
  2. 組合の活動状況、ITへの取り組み、問題点・課題
  3. 自社の活動状況、ITへの取り組み、問題点・課題
  4. 当会へのご意見、ご要望
  5. その他メンバーより個別質問
【管工事】
株式会社親和設備 代表取締役 高柳 茂宣 様(当会理事)
全国管工事業協同組合連合会 青年部協議会 会長 中島 誠照 様(当会理事)
東京都管工事工業協同組合 青年部長協議会 会長 村上 竜馬 様

【電気工事】
東京都電気工事工業組合青年部会 会長 野口 智之 様
東京都電気工事工業組合青年部会 理事 小松 隆浩 様
東京都電気工事工業組合青年部会 前理事 野尻 郁雄 様
■株式会社大洋電設 代表取締役 穴澤 辰幸 様
■タイセイ電工株式会社 代表取締役 犬養 弘之 様(当会理事)
桧山電業株式会社 代表取締役 桧山 義則 様(当会理事)
株式会社イーエスピー 代表取締役 下山 俊彦 様(当会理事)
16:30~16:50 総括
16:50~16:55 事務局報告
16:55~17:00 閉会挨拶
17:30~20:00 懇親会
同会場隣接レストラン「ビストロカフェももてなし家」
意見交換会

【講師プロフィール】
麻生 美坱
公益社団法人日本易学連合会 会員
日本イノベーション融合学会 会員(日本伝統アート研究会メンバー)



略歴:中学卒業後、欧州のオーストリア ウィーン国立音楽大学へ留学(演奏科ピアノ専攻)。
同大学修士課程中退後帰国。現地滞在は足かけ12年程となる。在学中はオーストリアにて数々のコンサートに出演及びリサイタルを開催。ザルツブルグ音楽祭への出演も数回に渡る。
現在、文化・芸術関連でのドイツ語通訳、翻訳に関わる仕事をする傍ら、易学に興味をもち、公益社団法人日本易学連合会に所属し易学を学ぶ。日本伝統文化・芸術と易学との関係及び、日本伝統芸術の知恵と易学の知恵を現代の企業経営に活かすための研究をしている。
全国設備業DX推進会では様々なサービスをご用意しています。お気軽にお問い合わせください。
■お問い合わせ先
〒101-0032 東京都千代田区岩本町2-8-8 栄泉岩本町ビル2F
TEL:03-5821-9761 FAX:03-5821-9762
全国設備業DX推進会事務局(株式会社システムズナカシマ東京支店内) 担当:粕井・須藤・原
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